障害のある方が利用できる主な支援制度と給付一覧
障害を持つ方の暮らしを支えるため、日本には多数の公的制度が整備されています。ここでは、厚生労働省や自治体などの公式資料をもとに、利用可能な制度や給付内容を分かりやすく整理しました。申請窓口や条件もあわせて記載していますので、必要な支援を確実に受けられるようお役立てください。
障害者手帳について
障害者手帳は、各種支援制度を利用するための前提となる重要な証明書です。大きく分けて3種類あり、それぞれの対象や管轄は異なります。
手帳の種類 | 対象となる障害 | 管轄窓口 |
---|---|---|
身体障害者手帳 | 視覚、聴覚、肢体、内部障害など | 都道府県福祉課 |
療育手帳 | 知的障害 | 都道府県の判定機関 |
精神障害者保健福祉手帳 | 統合失調症、うつ病など精神疾患全般 | 市区町村の保健福祉窓口 |
手帳を所持していることで、交通機関の割引、税金の軽減、医療費助成など、さまざまな支援制度を利用できるようになります。
参考資料:厚生労働省「障害者手帳制度について」
障害年金制度
障害によって日常生活や就労が著しく制限される場合、障害年金を受給できる可能性があります。年金制度は、障害の原因となった病気やけがの初診日がいつか、そしてその時に加入していた年金の種類によって支給内容が異なります。
種類 | 支給対象 | 支給額(令和6年度) |
---|---|---|
障害基礎年金 | 1級または2級(国民年金加入者) | 年額 約123万円(1級)、約99万円(2級) |
障害厚生年金 | 1級~3級(厚生年金加入者) | 報酬比例。3級は最低保証あり |
申請には診断書や病歴申立書などが必要です。社会保険労務士の相談を受けることも可能です。
参考資料:日本年金機構「障害年金のご案内」
手当・給付制度(所得制限あり)
特別障害者手当
20歳以上で重度の障害があり、日常生活のすべてにおいて介護を必要とする方が対象です。所得制限があります。
- 月額:28,840円(令和6年度)
障害児福祉手当
20歳未満の重度障害児に対して支給されます。
- 月額:15,220円(令和6年度)
参考資料:厚生労働省「障害者手当制度について」
医療費の助成制度
障害のある方に向けて、特定の医療費を軽減するための制度が存在します。自立支援医療は、医療費の自己負担割合を原則1割に軽減するものです。
種類 | 対象 | 内容 |
---|---|---|
精神通院医療 | 精神障害者 | 精神科通院治療が対象 |
更生医療 | 身体障害者 | 機能回復を目的とする手術・補装具など |
育成医療 | 18歳未満の児童 | 小児特有の先天性障害等の治療に適用 |
所得に応じて月額の上限が設定されます。申請は各市町村の福祉課窓口にて行います。
参考資料:厚生労働省「自立支援医療制度について」
就労支援制度
就労を希望する障害者に対し、福祉的就労・企業就職への支援制度があります。いずれも市区町村の認定と「受給者証」が必要です。
支援種別 | 内容 |
---|---|
就労移行支援 | 一般就労を目指す訓練と職場体験を提供 |
就労継続支援A型 | 雇用契約あり。最低賃金が保証される作業所 |
就労継続支援B型 | 雇用契約なし。通所による軽作業などで工賃支給 |
参考資料:厚生労働省「障害者の就労支援について」
生活・住宅支援
障害を理由とした住環境の整備や経済的負担軽減を目的とした制度です。
- バリアフリー改修工事に対する補助
- 特定公共賃貸住宅への優先入居
- 自治体によっては住宅手当や生活支援金が存在
詳細はお住まいの市区町村福祉窓口にてご確認ください。
制度は知っているだけで活用できます
障害者支援制度は、法律に基づいて整備されており、条件を満たしていれば誰でも利用できます。申請の手間や情報不足で制度を使えていない方も多いため、このページでは信頼できる情報源に基づき、可能な限り正確に記載しています。
制度は一度だけでなく、生活の変化に応じて何度でも見直せる仕組みです。少しでも暮らしが安定するきっかけとなれば幸いです。