障害者手帳を持っている人が使える制度は、合計で30以上ある。すべて活用すれば、月3〜5万円、年間40〜60万円の生活コスト削減が現実的に可能だ。
「制度を知らない」というだけで、毎月数万円を払い続けている人がいる。これが日本の障害者福祉の現実でもある。
交通機関の割引(11個)
鉄道
- JR各社運賃 単独101km以上で5割引、第1種介護者同伴で距離不問の5割引
- 私鉄各社運賃 大手私鉄でほぼ同条件の割引あり
- 地下鉄運賃 主要都市で半額または無料
航空
- JAL障害者割引運賃 国内線で約3〜4割引
- ANA障害者割引運賃 国内線で約3〜4割引
- スカイマーク・ピーチ等LCC 一部で障害者割引あり
バス・タクシー
- 路線バス 半額程度の割引(自治体・事業者で異なる)
- タクシー 1割引(全国共通)
- 高速バス 多くの事業者で5割引
道路
- NEXCO高速道路 5割引(事前登録必要)
- 有料道路(首都高・阪神高速等) 5割引
税金の控除・減免(8個)
- 所得税の障害者控除 一般27万円・特別40万円・同居特別75万円
- 住民税の障害者控除 一般26万円・特別30万円・同居特別53万円
- 住民税非課税(障害者本人で前年所得135万円以下)
- 自動車税・軽自動車税の減免
- 自動車取得税(環境性能割)の減免
- 相続税の障害者控除(85歳までの年数×10万〜20万円)
- 特定障害者の贈与税非課税(最大6,000万円)
- マル優・特別マル優の利子非課税(預貯金350万円まで)
公共料金・通信費の割引(5個)
- NHK受信料の全額または半額免除
- ドコモ「ハーティ割引」
- au「スマイルハート割引」
- ソフトバンク「ハートフレンド割引」
- NTT 番号案内(104)の無料化、電話料金の福祉割引
医療・福祉サービス(7個)
- 自立支援医療(精神通院医療・更生医療・育成医療)で医療費1割負担
- 重度心身障害者医療費助成(自治体により条件あり)
- 補装具費の支給(義肢・装具・車椅子等)
- 日常生活用具の給付(特殊寝台・入浴補助用具等)
- 障害福祉サービス(居宅介護・就労支援等)
- 障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)
- 特別障害者手当・障害児福祉手当
娯楽・文化施設の割引(条件で複数)
これらは数字に入れていないが、年間で見ると数万円分の節約になる。
動物園・水族館・美術館
公立施設は半額または無料が基本。介護者1名も同額のことが多い。上野動物園、国立科学博物館、東京国立博物館、サンシャイン水族館などは無料か半額。
映画館
イオンシネマ、TOHOシネマズ、ユナイテッド・シネマ、MOVIXなど主要チェーンで1,000円(介護者1名も同額)。
テーマパーク
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、サンリオピューロランド、富士急ハイランドなどで割引チケットあり。事前申込が必要な施設もある。
プロスポーツ観戦
多くのプロ野球12球団・Jリーグ各クラブで障害者割引チケットを販売。事前申込制が多いため公式サイトで確認を。
申請のコツ
一度に全部申請しなくていい
制度ごとに窓口が違うため、一気に申請すると消耗する。金額の大きいものから順番に進めるのがコツ。NHK受信料、携帯電話、自動車税、所得税控除あたりが手をつけやすい。
マイナンバーカードで申請が楽になる
マイナポータル連携で、NHK受信料・有料道路・JR切符などの申請がオンライン化される。マイナンバーカード未取得なら、まずカードの取得から始めるのが効率的。
毎年見直す
制度は毎年細部が変わる。年に1回、自分が使える制度のチェックリストを見直すと、新しく適用される制度を取りこぼさずに済む。
フル活用したときの節約額の目安
独身・年収300万円・身体障害者手帳2級の場合のシミュレーション。
- NHK受信料全額免除 年13,200円
- 所得税・住民税の障害者控除(特別) 年約5万円
- 自動車税の減免 年45,000円
- 携帯電話料金の割引 月1,500円×12=18,000円
- JR・私鉄の運賃割引 移動頻度により年3〜10万円
- 有料道路の割引 利用頻度により年1〜5万円
- 医療費助成 月の通院費5,000円減 ×12=60,000円
合計で年20〜30万円程度の家計改善が現実的だ。すべてフル活用すれば40〜60万円も視野に入る。
参照する公式情報
この記事の次にやること
このリストの中で「使っていない制度」を3つだけ選び、今週中に1つ申請する。1つ申請するごとに月数千円〜数万円の家計改善が確実に進む。
制度の詳細は、各市区町村の障害福祉課で確認できる。窓口で「使える制度を一覧で教えてほしい」と伝えれば、自治体独自の制度も含めて案内してくれる。