結論から言うと、LINEMO・povo・ahamoにはドコモの「ハーティ割引」やauの「スマイルハート割引」のような障害者専用割引はありません。しかしこれらオンライン専用格安SIMは元々の基本料金が月2,970円〜と圧倒的に安く、大手キャリアの障害者割引後の金額と同水準か、それ以下。「大手の障害者割引 vs オンライン格安SIM」の実額比較で、多くのケースでオンライン格安SIMの方がお得になります。3社の料金・データ量・サポート面の違いと、体調・症状に応じた選び方を整理します。
この記事で分かること
- LINEMO・povo・ahamoの3社比較表(料金・データ量・通話)
- 大手キャリア障害者割引との実額比較
- オンライン専用ならではの注意点(店舗サポートなし)
- 体調・症状で選ぶべきキャリアの判断軸
- 手続き申込みで必要な物と手順(オンライン完結)
- MNP乗り換えの手順(電話番号を引き継ぎ)
- 音声通話メインの人が選ぶべきプラン
オンライン格安SIMに障害者割引が「ない」理由
LINEMO(ソフトバンク系)、povo(au系)、ahamo(ドコモ系)の3社は、いずれも大手キャリアの「オンライン専用サブブランド」として運営されています。特徴を整理します。
第1、店舗サポートなし。オンラインでの申込・手続きのみ。第2、その代わり基本料金が月2,970円〜と大手より圧倒的に安い。第3、通信品質は大手と同等(同じ回線を使用)。第4、電話サポートはあるがチャット中心。
この「オンライン専用・低価格化」モデルの前提に、「元々安いから障害者割引は設けない」という設計思想があります。ドコモの通常プランなら月7,000円台の料金を、ahamoなら月2,970円で提供、これが「実質的な割引」になっています。
3社の比較表|料金・データ量・通話
| 項目 | ahamo(ドコモ) | povo 2.0(au) | LINEMO(SB) |
|---|---|---|---|
| 基本料金 | 月2,970円 | 月0円(トッピング制) | 月990円〜(ミニプラン) |
| データ量 | 30GB | トッピング次第(3GB 990円等) | 3GB(ミニ) or 20GB(スマホプラン) |
| スマホプラン(20〜30GB) | 2,970円 | 約2,700円(20GB) | 2,728円(20GB) |
| 通話 | 5分無料(標準) | 従量課金 or 5分無料550円 | 従量課金 or 5分無料550円 |
| データ超過後 | 1Mbps | 128kbps | 1Mbps(20GB) |
| 店舗サポート | なし | なし | なし |
| eSIM対応 | あり | あり | あり |
| 回線 | ドコモ | au | ソフトバンク |
大手キャリア障害者割引との実額比較
ドコモ・au・ソフトバンクの障害者割引を適用した後の料金と、オンライン格安SIMの実額を比較します。同等のデータ量(20GB程度)で比較。
| プラン | データ量 | 月額(税込) |
|---|---|---|
| ドコモ「eximo」+ハーティ割引 | 無制限 | 約5,800円 |
| ahamo | 30GB | 2,970円 |
| au「使い放題MAX」+スマイルハート割引 | 無制限 | 約6,300円 |
| povo 2.0(20GBトッピング) | 20GB | 約2,700円 |
| ソフトバンク「ペイトク30」+ハートフレンド割引 | 30GB | 約5,600円 |
| LINEMOスマホプラン | 20GB | 2,728円 |
結論、20〜30GBの範囲であればオンライン格安SIMの方が月2,500〜3,000円程度安いです。年間に換算すると約30,000〜36,000円の差になります。
ただし、データ無制限や特殊なサポートが必要な場合は大手の障害者割引プランが有利。「自分の使用量」と「サポート必要度」で判断すべきです。
オンライン専用ならではの注意点
注意点1、店舗サポートがゼロ
ahamo・povo・LINEMOのいずれも、店舗での対面サポートはありません。手続き・トラブル対応はすべてオンライン(チャット・電話)。パソコン操作やスマホ操作が苦手な人にはハードルが高い。
注意点2、キャリア決済・キャリアメールの制限
docomo.ne.jp、ezweb.ne.jp、softbank.ne.jp等のキャリアメールは、有料オプション(月330円等)を選ばないと使えません。既存メールアドレスを使い続けたい人は要注意。
注意点3、家族割・光回線割引の対象外
大手の「家族割引」「光回線とのセット割」の対象外。家族全員が同じキャリアで割引を受けているケースでは、単独で乗り換えると家族全体の料金が上がる可能性があります。
注意点4、初期設定はすべて自分でやる
SIMカード挿入、eSIMのアクティベート、APN設定、電話帳移行など、店員が代行してくれる部分もすべて自力で。動画マニュアルはありますが、途中で詰まると自力解決が必要。
選び方の判断軸
判断軸1、体調で操作できる時間の予測可能性
体調が安定していて自分でオンライン手続きができる → 格安SIM。体調の波が大きく、家族や店員のサポートが必須 → 大手キャリアの障害者割引。
判断軸2、月のデータ使用量
月20〜30GBで足りる → 格安SIMが圧倒的にお得。動画配信・在宅ワーク・大容量ダウンロードで50GB以上使う → 大手キャリアの障害者割引プランで無制限が実用的。
判断軸3、通話時間の目安
月の通話が少ない(30分以下) → 従量課金のpovoが最安。頻繁に短時間通話がある → 5分無料付きプランを推奨。長時間通話が多い → かけ放題オプション必須。
判断軸4、家族との連携
家族全員が大手キャリア → 単独で格安SIMに移ると家族割崩れて全体で損する可能性。個別に判断すべき。
申込みの完全フロー|ahamoの例
ステップ1:公式サイトでの申込
ahamo公式サイトから申込画面へ。dアカウントでログイン(なければ新規作成)。
ステップ2:プラン選択と手続き種類の選択
「新規契約」「MNP乗り換え」「機種変更」から選択。MNPの場合、旧キャリアで発行したMNP予約番号が必要。
ステップ3:本人確認書類のアップロード
運転免許証・マイナンバーカード・在留カードなど、スマホで撮影してアップロード。
ステップ4:支払い方法の選択
クレジットカードまたは口座振替。dカードなら特典あり。
ステップ5:SIM種類の選択(SIMカード or eSIM)
eSIM対応スマホなら、eSIMの方が郵送不要で即日開通可能。
ステップ6:契約完了、SIM到着(またはeSIM開通)
SIMカードは1〜3日で郵送、eSIMは即日発行(数分〜数時間)。
ステップ7:APN設定と初期セットアップ
スマホでネットワーク設定→APN追加。ahamoのAPN情報を入力。テザリング・データ通信のテスト。
ステップ8:電話帳・写真の移行
iOSクイックスタート、Androidの「デバイスの移行」機能を使って旧端末からデータ移行。
MNP乗り換えの手順
電話番号を引き継いでキャリアを乗り換える手順を整理します。
第1、旧キャリアでMNP予約番号を発行(電話またはWebで発行、無料)。予約番号の有効期限は15日間。第2、新キャリア(格安SIM)で申込時にMNP予約番号を入力。第3、新キャリアで開通手続き完了と同時に旧キャリアが自動解約(旧キャリアへの解約手続き不要)。
2023年以降「MNPワンストップ」制度で、多くの組み合わせで予約番号の発行が不要になっています。詳細は各キャリアの公式サイトで確認。
運営者の経験談
私は3年前まで、ドコモの「ハーティ割引」を利用して月約5,000円のプランを使っていました。理由は「障害者割引だから安い」と思い込んでいたためです。
2年前、家計の見直しで各キャリアを比較したところ、ahamoの30GB月2,970円がハーティ割引後の料金より約2,000円/月安いことに気付き、乗り換えました。年間約24,000円の節約です。
乗り換え作業は左半身麻痺と高次脳機能障害の影響で少し時間がかかりましたが、家族(妻)のサポートで一日で完了。以降、通信品質はドコモ時代と全く変わらず、料金だけが下がりました。
ただし、これは「オンライン手続きが自分でできる」という前提での話です。手続きに不安がある人は、家族に手伝ってもらうか、大手キャリアの障害者割引プラン継続の方が安全です。
よくある質問FAQ
Q1、ハーティ割引・スマイルハート割引・ハートフレンド割引と併用できますか
できません。ahamo・povo・LINEMOは大手の障害者割引プログラムの対象外。大手のプラン契約時のみ障害者割引が有効です。
Q2、既存のキャリアメール(docomo.ne.jp等)は引き継げますか
有料オプション(月330円)で引き継ぎ可能な場合があります。ただし単純に月額料金に含まれないため、実質的なコスト計算に注意。GmailやiCloudメールへの切り替えを推奨。
Q3、通信品質はどうですか
3社とも大手と同じ回線を使うので、通信速度は大手と同等です。ただし混雑時に速度制限がかかる可能性はあります(大手同様)。
Q4、障害者手帳を持っている場合の身分証明はどうしますか
本人確認書類として、運転免許証・マイナンバーカード・パスポートが標準です。障害者手帳のみでの本人確認は原則不可。マイナンバーカードがない場合、運転免許証の取得を推奨。
Q5、初月から満額請求されますか
ahamoは日割り計算あり、povoは基本料0円なので日割り不要、LINEMOも日割り計算あり。初月からのコストで負担が跳ね上がる心配はありません。
お問い合わせ窓口
ahamo:公式サイトのチャットサポート、電話サポート(平日9時〜20時、151または0120-800-000)。povo:公式サイトのチャットサポート、電話サポートは有償トッピング。LINEMO:公式サイトのチャットサポート、電話サポート(平日9時〜20時、0800-100-8686)。