親が中途障害(脳卒中・事故・難病など)になった時、もう一方の親が悩むのが「子どもにどう伝えるか」です。隠した方がいいのか、率直に伝えた方がいいのか。多くの専門家が「子の発達段階に応じて、率直に伝える」ことを推奨します。隠すと子は不安を感じ取り、想像で悪く考えるからです。
基本原則
原則1、嘘をつかない。「すぐ治る」「以前と同じになる」と確証のない期待を持たせない。後で違うと分かると、子の信頼が失われます。
原則2、子の不安に共感する。「あなたが心配なのは当然だよ」「不安に思っていいよ」と、子の感情を受け止めます。
原則3、「あなたのせいではない」と明確に伝える。子は無意識に「自分が悪い子だったから」と自分を責めることがあります。何度でも「あなたのせいではない」と伝えてください。
原則4、子の生活は守る。学校・友達・遊び・習い事など、子の日常はできるだけ変えません。「あなたの生活は守られる」という安心感が、子の心を支えます。
幼児(3〜6歳)への伝え方
幼児には、難しい医学的説明は不要です。「お父さん(お母さん)は、病気で前のように動けなくなったの。だから、ベッドに寝てたり、車椅子に乗ったりしているよ。でも、あなたを愛している気持ちは変わらないよ」、このくらいで充分です。
幼児が一番気にするのは「お父さん(お母さん)が自分を嫌いになったのではないか」「自分を捨てるのではないか」という不安。これを明確に否定することが重要です。
小学生(7〜12歳)への伝え方
小学生には、具体的な病名や障害名を伝えても理解できます。「お父さんは脳卒中という病気で、右半身が動かなくなったの。これからは車椅子で生活するよ」「お母さんは難病で、徐々に体が動きにくくなる病気なんだ」。
同時に、「学校でこのことを話したくなければ話さなくていい」「友達に聞かれた時、どう答えるか一緒に考えよう」と、子の社会生活への配慮を伝えます。
中高生(13歳以上)への伝え方
中高生には、医学的説明・将来の見通し・家計への影響など、ある程度大人と同じレベルで話す必要があります。「お父さんはこの障害で、これから車椅子生活になる。家計はこう変わる。お前の進路や生活に影響があるかもしれない。一緒に考えていこう」。
同時に、「あなたの進路や友人関係は守る」「ヤングケアラーになる必要はない」と明確に伝えます。中高生は自分が役立ちたいという気持ちを持ちやすい年齢ですが、それが学業や人生選択を狭めないよう、親が線引きを明確にすることが重要。
明日からできる3つのこと
第1、子と1対1で話す時間を作る。15分でも、テレビを消してじっくり話せる時間を作ります。
第2、子の気持ちを聞く。「お父さん(お母さん)のこと、どう思ってる?」「何か心配なことある?」と、子に話してもらいます。
第3、学校のスクールカウンセラーに連絡。子の学校に状況を共有し、子の様子に変化があれば気付いてもらえるようにします。