家族の介護と仕事の両立|介護休業・介護休暇を使いこなす

家族の介護が始まると、「仕事を辞めて介護に専念すべきか」と多くの人が悩みます。介護離職は年間約10万人いると言われますが、その多くは「制度を知らないから」というのが現実です。育児介護休業法で認められた制度を正しく使えば、仕事を続けながら介護することは充分可能です。

使える3つの制度

制度1、介護休業。要介護状態にある家族1人について通算93日まで取得可能。3回まで分割可能で、給与の67%が雇用保険から支給(介護休業給付金)。家族の状態が安定するまで、または介護体制を整えるまでの期間に使えます。

制度2、介護休暇。要介護状態の家族1人につき年5日(2人以上で年10日)まで取得可能。1日単位・半日単位・時間単位で取得でき、突発的な通院付き添いなどに使えます。

制度3、短時間勤務・残業免除・始業時刻変更。要介護状態の家族がいる労働者は、選択的措置として、短時間勤務・フレックスタイム・残業免除を申請できます。事業主は必ず1つ以上の措置を講じる義務があります。

対象となる家族の範囲

制度の対象となる「家族」は、配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫まで含まれます。同居・別居は問いません。「要介護状態」は介護保険の要介護2以上、または常時介護が必要な状態とされます。

障害のある家族については、要介護認定がなくても「常時介護が必要な状態」と認められれば対象です。会社の人事部や厚生労働省の窓口で確認してください。

申請の流れ

第1、会社の人事部に相談。介護が必要な家族の状況を説明し、利用したい制度を伝えます。

第2、必要書類の提出。家族の介護状態を証明する書類(医師の診断書・要介護認定通知書など)を提出します。

第3、会社の承認。法的に拒否できない制度なので、要件を満たしていれば必ず承認されます。

第4、給付金の申請(介護休業の場合)。ハローワークで介護休業給付金を申請します。

使われない理由

制度はあるのに使われない最大の理由は「知らない」「言い出しにくい」です。多くの労働者が、自分の権利として認識していないか、上司に伝える勇気がないため、利用せずに離職する道を選んでしまいます。

これらは法律で保障された権利であり、雇用主は不利益取扱い(降格・解雇など)を行えません。安心して使えます。

明日からできる3つのこと

第1、自社の就業規則を確認。介護休業・介護休暇・短時間勤務の規定がどう書かれているか、人事部または就業規則を見て確認します。

第2、人事部に問い合わせ。「家族の介護で、利用できる制度を教えてほしい」と相談します。具体的な状況を伝えれば、自社で使える制度が分かります。

第3、ハローワークの介護休業給付金窓口を確認。「介護休業給付金 (都道府県名)」で検索すれば、申請窓口が見つかります。

参考元(公式情報)