障害のある家族(配偶者・子・親・兄弟姉妹など)を扶養している場合、所得税・住民税の障害者控除を受けられます。控除額は最大75万円(同居特別障害者の場合)。年末調整や確定申告で申告するだけで、年間数万円〜十数万円の節税になります。
3種類の控除
控除1、障害者控除。所得税27万円・住民税26万円。身体障害者手帳3〜6級、療育手帳B、精神障害者保健福祉手帳2〜3級などに該当する扶養家族がいる場合に適用されます。
控除2、特別障害者控除。所得税40万円・住民税30万円。身体障害者手帳1〜2級、療育手帳A、精神障害者保健福祉手帳1級などの重度障害者を扶養している場合に適用。
控除3、同居特別障害者控除。所得税75万円・住民税53万円。特別障害者と同居している場合のさらなる加算。同居が条件で、別居の場合は適用されません。
対象となる家族
対象は、扶養している配偶者(配偶者控除の対象)・子・親・祖父母・兄弟姉妹など。年齢制限はなく、扶養している障害者なら誰でも対象です。
「扶養している」とは、税法上は本人と生計を一にしていることを意味します。同居していなくても、仕送りで生活を支えている場合は対象。逆に、本人の所得が一定額以上ある場合(配偶者は103万円超、その他は48万円超)は扶養家族にはなれません。
申告方法
方法1、年末調整。会社員の場合、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「障害者欄」に記入します。会社で年末調整を行ってくれます。
方法2、確定申告。自営業者・年金生活者・複数所得がある人は、確定申告書の障害者控除欄に記入します。e-Taxで自宅から申告可能。
方法3、過去5年分の還付請求。過去5年間、申告し忘れていた場合、税務署に「更正の請求」をすれば過去5年分の還付を受けられます。「障害者控除を申告し忘れていた」と税務署に相談すれば手続きを案内してくれます。
よくある損失パターン
パターン1、申告し忘れ。会社の年末調整の用紙で「障害者欄」を見落とすと、ずっと適用されません。毎年の用紙で必ず記入を確認します。
パターン2、別居家族の見落とし。離れて暮らす親や兄弟姉妹を扶養している場合、申告を忘れがちです。仕送りをしているなら対象になる可能性があります。
パターン3、要介護認定者の控除見落とし。「障害者手帳を持っていない」ケースでも、要介護認定を受けていれば「障害者と同程度」とお住まいの市区町村が認定する「障害者控除対象者認定書」をもらえる場合があります。これにより手帳がなくても控除を受けられます。
節税額の目安
所得税率10%の人(年収400〜500万円程度)が同居特別障害者控除を受ける場合、所得税75万円控除で約75,000円の節税。住民税53万円控除で約53,000円。合計年間約13万円の節税です。
過去5年分まとめて還付請求すると、約65万円の還付になる計算です。
明日からできる3つのこと
第1、自分の源泉徴収票を確認。「障害者控除」「特別障害者控除」の欄に金額が入っているか確認します。入っていなければ申告し忘れています。
第2、会社の人事部または税務署に相談。「過去の障害者控除を申告し忘れた」と伝え、訂正方法を確認します。
第3、要介護認定がある家族について、市区町村に「障害者控除対象者認定書」の発行を依頼。手帳がなくても控除を受けられる可能性があります。