成年後見人を家族にするか専門家にするか|判断の軸を整理する

成年後見制度を利用する時、最初の判断ポイントが「後見人を誰にするか」です。家族(親・きょうだい・配偶者)か、専門家(司法書士・弁護士・社会福祉士)か。それぞれにメリット・デメリットがあり、家族の事情・本人の障害の重さ・資産の状況で判断します。

成年後見制度の基本

成年後見制度は、判断能力が不十分な人(認知症・知的障害・精神障害など)の財産管理や契約行為を、後見人が法的に代行する仕組みです。家庭裁判所が後見人を選任し、後見人は本人のために行動する義務を負います。

3つの類型(後見・保佐・補助)があり、本人の判断能力の程度に応じて選びます。後見が最も判断能力が低い場合、補助が比較的軽度な場合です。

家族が後見人になるメリット・デメリット

メリットとして、本人をよく知っている、コミュニケーションが取りやすい、報酬がかからない(無報酬でできる)、本人の意思を尊重しやすい。

デメリットとして、財産管理の専門知識が必要(年1回家庭裁判所に報告)、家族間のトラブルになる可能性(きょうだい間で疑念が生じる等)、後見人になった家族の負担が大きい、本人が長生きすると後見人が先に亡くなるリスク。

専門家が後見人になるメリット・デメリット

メリットとして、財産管理の専門知識(法律・税務に精通)、家族間のトラブル回避(第三者なので公平)、家族の負担が減る、長期的な継続性(法人後見なら世代交代対応)。

デメリットとして、月額報酬が発生(本人の資産に応じて月2〜5万円程度)、本人を深く知らない(信頼関係構築に時間がかかる)、専門家との相性が合わない可能性。

判断の3つの軸

軸1、家族関係の良好さ。家族間で意見対立や不信感がある場合、家族の誰かが後見人になるとトラブルが拡大します。家族関係が複雑な場合、専門家が無難です。

軸2、本人の資産規模。預貯金が少ない・年金収入のみで暮らしている場合、専門家報酬の負担が大きくなります。家族後見人の方が現実的。逆に資産が大きい場合、専門家の知識が必要です。

軸3、家族の介護能力と時間。家族が高齢、または他のケアで手一杯な場合、専門家に委ねた方が長期的に安定します。

混合型もある

「家族と専門家の両方を後見人にする」という選択肢もあります。家族が日常的なケア、専門家が財産管理を担当する形。または「後見監督人」として専門家を選任し、家族後見人をチェックする仕組みもあります。

家庭裁判所と相談しながら、家族の状況に合わせた形を選べます。

明日からできる3つのこと

第1、地域の成年後見センターに電話。お住まいの市区町村に設置されており、無料で相談できます。「成年後見制度について教えてほしい」と伝えます。

第2、家族会議を開く。誰が後見人を引き受ける可能性があるか、兄弟姉妹を含めて話し合います。早めの合意が大切です。

第3、司法書士・弁護士の無料相談を活用。日本司法書士会連合会・各地の弁護士会が無料相談を実施しています。

参考元(公式情報)