自宅をバリアフリーに改修する費用は、介護保険・障害者総合支援法・自治体独自制度の3つから助成が受けられます。組み合わせれば数十万円規模の負担軽減になりますが、すべて「工事前の事前申請」が絶対条件で、工事後に申請しても1円も出ません。
3つの助成制度を理解する
第1、介護保険の住宅改修費。要支援・要介護認定を受けた人が対象。生涯で20万円までの工事に対し、所得に応じて7〜9割を補助。手すり設置・段差解消・滑り防止床材・引き戸への変更・洋式便器への変更などが対象。
第2、障害者総合支援法の住宅改修費(日常生活用具給付の一環)。身体障害者手帳(下肢・体幹・視覚など)を持つ人が対象。介護保険と似た工事内容に、市区町村が独自に上限額を設定。多くの自治体で20万円程度が上限です。
第3、自治体独自の住宅改修助成。介護保険・障害者制度では対象外の工事(浴室改修・キッチン改修など)を、自治体独自で助成するケース。金額・条件は自治体差が大きく、自宅改修総額の数十万円が補助される例もあります。
申請の流れ、5ステップ
第1、ケアマネジャーまたは自治体障害福祉課に相談。どの制度が使えるか、何を併用できるかを確認します。
第2、改修プランを業者と相談。複数業者から見積もりを取り、内容と金額を確定。
第3、自治体に事前申請。「住宅改修費支給申請書」「見積書」「工事図面」「住宅所有者の承諾書(賃貸の場合)」などを提出。
第4、自治体の承認を得てから工事開始。承認前に工事すると助成対象外になります。
第5、工事完了後、領収書と完了報告書を提出。後日、助成金が振り込まれます。
最大の落とし穴、事前申請
「先に工事を済ませてから申請」では1円も出ません。これは最も多い失敗パターンで、特に介護保険の住宅改修費で頻発します。「急いで工事したい」気持ちは分かりますが、必ず事前申請を済ませてから着工してください。
もう1つの落とし穴は「業者選び」。介護保険・障害者制度の助成を受けるには、自治体に登録された業者を使う必要がある場合があります。知り合いの大工さんに頼んだら助成対象外、というケースもあります。事前に「この業者で助成を受けられるか」を自治体に確認してください。
3制度の併用パターン
例として、要介護2・身体障害者手帳2級の方が、トイレ・浴室・玄関のバリアフリー改修(総工事費80万円)を行う場合。介護保険で18万円、障害者総合支援法で18万円、自治体独自助成で20万円補助される、というケースもあります。組み合わせ次第で自己負担を大幅に圧縮できます。