障害のある子を育てる家庭で、健常な兄弟姉妹(きょうだい児)は、知らず知らずのうちに我慢を重ねていることがあります。「お母さんは弟のことばかり」「お父さんに甘えたい時に甘えられなかった」、こうした記憶は大人になっても残り続けます。きょうだい児への配慮は、家族全体の幸せを守るために欠かせない視点です。
なぜきょうだい児が我慢するのか
多くのきょうだい児が、親の表情から「自分のことで困らせてはいけない」と幼いうちに学びます。障害のある兄弟姉妹のケアで疲れている親を見て、「いい子」でいることを選ぶのです。
これは表面的には親孝行な振る舞いに見えますが、内側では「自分の感情は二の次」「自分は愛されていないのでは」という不安を抱え込みます。大人になってから、人間関係の困難・燃え尽き・うつなどの形で表面化することが多いと言われています。
親ができる5つのこと
第1、きょうだい児だけの時間を意識的に作る。週に30分でも、きょうだい児と1対1で過ごす時間を作ってください。一緒におやつを食べる、絵本を読む、散歩する。「あなただけを見ている」というメッセージが、何よりの安心になります。
第2、ケアの担い手にしすぎない。きょうだい児に「お兄ちゃん・お姉ちゃんなんだから」「家族なんだから」と障害のある兄弟姉妹のケアを当然視させないでください。手伝ってくれた時は「やってくれてありがとう、でも本当はあなたの自由な時間も大事だよ」と必ず伝えてください。
第3、きょうだい児の悩み・愚痴を否定しない。「弟がうるさい」「お姉ちゃんと外出するのが恥ずかしい」など、きょうだい児が普通の不満を表現した時、「そんなこと言うものじゃない」と叱らないでください。普通の感情を持つことを禁止すると、その子の心が硬直します。
第4、将来の話を早めにする。「親なき後、あなたに兄弟姉妹を任せたいわけではない。あなたの人生はあなたのもの」と、はっきり言葉で伝えてください。何も言わないと、きょうだい児は自然と「将来は自分が引き受けるのだろう」と覚悟してしまいます。
第5、きょうだい児の居場所を作る。「きょうだいの会」など同じ立場の子と繋がれる場所があります。同じ経験を持つ仲間がいることは、きょうだい児の心の支えになります。
先輩家族の声
多くの当事者(成長したきょうだい児)が、振り返って「親に一番してほしかったこと」として「自分の話を聞いてくれること」を挙げます。特別なケアではなく、自分の気持ちを否定せず聞いてくれる、それだけで救われる、という声が多いです。
参考元(公式情報)
きょうだい児支援の専門組織です。当事者同士の交流や相談を受け付けています。