障害のある子を育てる夫婦は、子のケアに追われて、いつの間にか「夫婦」としての関係を失いがちです。「気付いたら夫(妻)と話していない」「子のこと以外で会話がない」、こうした状態が長く続くと、夫婦が「親としての同志」ではあっても「夫婦」ではなくなります。これは多くの家族が直面する現実です。
2種類の関係を意識する
夫婦には2つの関係があります。第1は「親としての連携」(共同で子を育てる役割分担)、第2は「夫婦としての関係」(2人の人間としての愛情・友情)。前者は子育てで自然に強化されますが、後者は意識しないと簡単にすり減ります。
障害児のケアでは、第1の関係(親としての連携)で精一杯になり、第2の関係(夫婦としての時間)が後回しになります。これは責められることではなく、構造的に起きる現象です。だからこそ、意識的に対処する必要があります。
夫婦間の温度差を認める
父親と母親で、障害受容のスピード・ケアへの関わり方・将来への不安は違うのが普通です。「夫は子のことを真剣に考えていない」「妻は心配しすぎ」、こうした不満は多くの夫婦が抱えています。
大切なのは、相手を変えようとせず、温度差があることを認めることです。「あなたはそう感じているのね」「私はこう感じている」と、相手の認識を否定せずに自分の認識を伝えるコミュニケーションが、関係を守ります。
夫婦の時間を作る具体策
策1、月1回の夫婦デー。子をショートステイや祖父母に預け、夫婦だけで過ごす時間を月1回作ります。最初は2〜3時間でも充分。喫茶店でゆっくり話す、映画を見る、散歩する。「子のこと以外の話題」を意識的に持ちます。
策2、毎日の10分会話。子が寝た後の10分だけ、子の話以外をする習慣。「今日仕事で何があった」「最近読んだ本」「あの旅行先に行きたい」など、夫婦としての会話を意識します。
策3、年1回の旅行。子を預けて夫婦で1〜2泊の旅行。「私たちは夫婦である」という感覚を取り戻す機会になります。難しい場合は近場の温泉でも充分です。
介護離婚を防ぐために
障害児ケアの過程で離婚に至る夫婦は少なくありません。多くの場合、「お互いの努力が見えなくなる」「一方が抱え込み続け、限界を迎える」「相手への期待のずれが積み重なる」というパターンです。
予防のために重要なのは「役割の見える化」。「私は週何時間ケアしている」「あなたは何をしてくれている」と、紙に書き出して共有する習慣が、相互理解を深めます。お互いに「相手が何もしていない」と感じる時、実は気付いていないだけということが多いです。
明日からできる3つのこと
第1、夫婦で「今月の夫婦デー」を1日決める。子を預ける手配と、何をするかを2人で決めます。
第2、今夜10分だけ、子の話以外をする。「今日どんな日だった」と一言聞くだけで始められます。
第3、お互いの役割を紙に書き出す。一週間の「あなたがやっていること」「私がやっていること」をリスト化し、共有します。
参考元(公式情報)
夫婦関係や家庭内コミュニケーションの公的支援情報を提供しています。