親なき後問題|親が元気なうちにやっておく5つの準備

障害のある子を持つ親にとって、最大の心配ごとは「自分が亡くなった後、この子はどう生きていくのか」です。元気なうちにできる準備は数多くあり、早く始めるほど選択肢が広がります。逆に何もしないまま親が高齢になると、できることが急速に減っていきます。

5つの準備項目

第1、成年後見制度の理解と検討。判断能力が不十分な障害のある子のために、財産管理や契約行為を代行する人を法的に決める制度です。家族が後見人になる場合、第三者(司法書士・弁護士)が就任する場合があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。早めに専門家に相談を。

第2、心身障害者扶養共済制度の加入。親が掛金を払い、親の死亡後に子へ月2万円が終身支給される公的共済。加入には親の年齢制限(65歳未満)と健康診断があり、早く加入するほど掛金が安く、健康面の不安もありません。

第3、遺言書の作成。財産を相続させる時、障害のある子に配慮した分配が必要です。きょうだい児に過度な負担をかけないよう、公正証書遺言で明確に意思を残します。費用は5〜10万円程度。

第4、家族信託の検討。子に直接相続させると財産管理が難しい場合、家族信託で財産を信頼できる親族に託しつつ、子の利益のために使ってもらう仕組み。司法書士や弁護士に相談します。

第5、本人の自立支援。グループホームの利用体験、就労継続支援への通所、ショートステイの定期利用などで、親と離れて生活する経験を子に積ませること。親なき後の生活が突然始まるのではなく、徐々に移行できる準備です。

早く始めることの重要性

これらの準備は、すべて「親が元気なうち」が条件です。親が認知症になった後では、扶養共済加入も成年後見の選任(親が後見人として動くこと)も難しくなります。

具体的には、親が60歳になる前に一通り検討し、65歳までに重要な制度(扶養共済など)の加入を済ませておくのが理想的です。「まだ早い」と思っている時こそ動くべきタイミングです。

明日からできる3つのこと

第1、お住まいの市区町村の障害福祉課に電話。「親なき後問題の相談をしたい」と伝え、地域の相談支援機関を紹介してもらいます。

第2、心身障害者扶養共済制度の資料請求。同じく市区町村窓口で、加入要件と掛金を確認します。親の年齢が若いほど月額が安いです。

第3、子の自立体験の計画。「来月、初めての短期入所利用」「夏休みにグループホーム見学」など、子の自立に向けた最初の一歩を予定に入れます。

家族で話し合う勇気

この問題で最も大きな壁は「家族で話し合うこと」です。親なき後の話は、家族にとって辛い話題なので、つい先送りにしがちです。しかし、話し合わずに突然事態が始まることほど、家族全員にとって辛いことはありません。

夫婦・きょうだい児・本人(意思疎通可能な場合)と、年に1度は「将来のこと」を話し合う時間を設けてください。最初は重い空気でも、回数を重ねれば家族の自然な話題になります。

参考元(公式情報)