障害児の親の燃え尽き(バーンアウト)|レスパイトケアを使う罪悪感をなくす

障害のある子を育てる親、特に母親は「燃え尽き(バーンアウト)」のリスクが高いと言われています。「もう何もしたくない」「子どもにも優しくできない」「自分が消えてしまいたい」、こんな気持ちが続いていたら、それは心身が危険信号を出しているサインです。

なぜ燃え尽きやすいのか

障害児の親の燃え尽きの背景には、いくつかの構造的な要因があります。終わりが見えないこと(健常児なら成長と共に手がかからなくなりますが、障害児は何十年も継続)。社会的孤立(同年代の親グループとは話題が合わず、距離ができる)。経済的不安(働けない、医療費がかさむ)。自分の人生を失う感覚(子のケアで自分の時間が消える)。

これらが重なり、気付かないうちに心身がすり減っていきます。バーンアウトに気付いた時には、すでに深刻な状態になっていることが少なくありません。

レスパイトケアという考え方

「レスパイト」とは英語で「一時休止・休息」の意味。介護する家族のために、一時的に介護を肩代わりしてくれるサービスを「レスパイトケア」と呼びます。具体的には、短期入所(ショートステイ)、訪問介護、デイサービス、放課後等デイサービス、医療的ケア児の場合は医療型短期入所など。

これらは「家族が休むためのサービス」として制度設計されています。「子を預けるなんてかわいそう」と思いがちですが、家族が長期的にケアを続けるためには休息が不可欠、というのが制度の趣旨です。

罪悪感をなくす3つの考え方

考え方1、休息は子のための投資。母親が倒れたら、子のケアは誰がしますか。母親の健康を守ることは、子の長期的な生活を守ることと同義です。

考え方2、社会全体で支えるもの。障害者支援は家族の自助努力ではなく、社会全体の責務です。福祉サービスは「特別扱い」ではなく、家族と社会が役割分担するための仕組みです。使うことが社会システムへの参加です。

考え方3、子も家族以外との関わりが必要。家族だけで育つより、ショートステイ職員・支援員・友達など、多様な人との関わりがある方が、子の社会性が育ちます。レスパイト利用は子の成長の場でもあります。

月1回からのレスパイト利用

「いきなり泊まりは不安」という場合、段階的に始めることをお勧めします。最初は短期入所の見学・1日利用から。子が施設に慣れたら1泊2日。慣れたら週末利用や数日連泊。少しずつ「家族と離れて過ごす経験」を積み重ねます。

目安として、月1回・週末1泊2日のレスパイトを定期化できると、母親の心身のリズムが整いやすくなります。多くの先輩親が「月1の自分時間がなければ続けられなかった」と振り返ります。

明日からできる3つのこと

第1、お住まいの市区町村の障害福祉課に電話。「短期入所を月1回利用したい」と伝え、受給者証の申請をします。

第2、子に合う事業所を見学。複数のショートステイ事業所を見学し、医療的ケアの対応・施設の雰囲気・スタッフとの相性を確認します。

第3、レスパイト中の自分の予定を決めておく。「美容院に行く」「友人とランチ」「映画を観る」など、具体的な楽しみを準備しておくと、レスパイトの罪悪感が減ります。

参考元(公式情報)