障害者雇用促進法は、企業に対して一定割合の障害者雇用を義務付ける法律です。法定雇用率は段階的に引き上げられており、2024年4月から2.5%、2026年7月から2.7%に引き上げ予定。さらに2027年以降は3.0%への引き上げも検討されています。
法定雇用率の仕組み
従業員数が一定数以上の企業に対して、全従業員の2.5%以上(2026年7月からは2.7%以上、2030年までに3.0%予定)を障害者として雇用する義務が課されています。この対象企業は、従業員40人以上(2.5%基準)、ただし2026年7月の改正で37.5人以上に拡大予定です。
雇用率の計算では、重度身体・重度知的障害者は2人分、短時間労働者(週20〜30時間)は0.5人分または1人分(障害の重さによる)としてカウントされます。精神障害者保健福祉手帳保有者も、2018年から法定雇用率の算定対象に加わりました。
未達成企業のペナルティ
法定雇用率を達成していない企業(対象企業のみ、従業員101人以上の企業に適用)は、不足1人あたり月50,000円の障害者雇用納付金を国に納める義務があります。仮に5人不足だと、年間300万円の納付金になります。
逆に、法定雇用率を超えて雇用している企業には、超過1人あたり月27,000円の調整金が支給されます。この制度により、企業に障害者雇用へのインセンティブが与えられています。
差別禁止と合理的配慮
2016年改正で、企業に対して次の2つが明確に義務付けられました。
義務1、障害を理由とする差別の禁止。募集・採用・賃金・昇進・教育訓練などのすべての雇用ステージで、障害を理由とした不利な取扱いを禁止。
義務2、合理的配慮の提供。障害者からの申出に基づき、過重な負担にならない範囲で、必要な配慮を提供する義務。例として、視覚障害者への音声化資料提供、聴覚障害者への筆談・手話通訳手配、身体障害者への通勤時間調整・在宅勤務許可など。
当事者にとっての意義
当事者にとって、この法律は「就職活動で堂々と障害をオープンにできる」根拠です。法定雇用率達成のために障害者を採用したい企業が確実に存在するため、障害者雇用枠を活用すれば、配慮のある職場で働く選択肢が開けます。
具体的には、ハローワーク障害者窓口・障害者向け転職エージェント(at GP、ランスタッドチャレンジド、サーナなど)・障害者就職フェアなどで、法定雇用率達成を目指す企業の求人が大量に出ています。
よくある誤解
誤解1、「障害者雇用枠は給料が安い」。実は同じ職種なら一般雇用と給与体系は同じ企業が多いです。配慮を受けられる代わりに給与が下がるわけではありません。
誤解2、「合理的配慮を求めるとワガママと思われる」。違います。合理的配慮の提供は企業の法的義務であり、申し出ることは権利の行使です。具体的に「こうしてほしい」と伝えることが推奨されています。