ANAの障害者割引は、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・戦傷病者手帳を持つ12歳以上の本人と、同一便に搭乗する介護者1名(12歳以上)が使える公式割引運賃です。当日空席のある便を、正規運賃の約6割(路線により変動)で予約できます。羽田-新千歳や羽田-福岡なら片道17,000〜21,000円が目安。予約はANAウェブサイトから5分で完了します。早割との違い、予約手順、注意点まで、運営者の実体験も交えて完全整理します。
この記事で分かること
- 対象になる手帳の種類と年齢制限
- 実際の運賃例(主要路線別、片道大人)
- 予約手順(ANAウェブサイト・電話の両方)
- 早割・セール運賃との使い分け
- 介護者1名も同じ割引が使える条件
- 当日空席予約でも使えるメリット
- 予約時に必要な情報と手帳確認登録
- 変更・払戻しのルール
対象になる人|4種類の手帳が有効
ANA障害者割引の対象は、日本国内で発行された次の4種類の手帳を持つ12歳以上の人です。
対象手帳
身体障害者手帳(等級問わず全対象)、療育手帳(等級問わず全対象)、精神障害者保健福祉手帳(1〜3級すべて対象、ただし搭乗日当日に有効期間内であること)、戦傷病者手帳(等級問わず全対象)。
ここで最も注意が必要なのは精神障害者保健福祉手帳です。手帳の有効期限が2年で、更新申請中(有効期限切れ)の状態では割引が適用されません。搭乗予定日を見据えて、余裕を持って更新手続きを完了させておくことが必須です。
介護者1名も同じ割引
同一便に搭乗する介護者1名(12歳以上)も本人と同じ割引運賃を利用できます。これがANA障害者割引の最大の価値で、家族2名分の運賃が同時に約4割引になります。介護者に手帳の有無は問われず、家族・友人・ヘルパー、誰でも介護者として登録できます。
実際の運賃例|主要路線の片道大人
ANA障害者割引の運賃は、正規運賃(フレックス)の約6割相当が目安ですが、時期・便により変動します。2026年時点の主要路線の片道大人運賃(参考価格)を整理します。
| 路線 | 正規運賃(参考) | 障害者割引(参考) | 節約額(片道) |
|---|---|---|---|
| 羽田-新千歳 | 約36,000円 | 約17,000〜21,000円 | 15,000〜19,000円 |
| 羽田-伊丹 | 約27,000円 | 約14,000〜17,000円 | 10,000〜13,000円 |
| 羽田-福岡 | 約42,000円 | 約17,000〜20,000円 | 22,000〜25,000円 |
| 羽田-那覇 | 約48,000円 | 約22,000〜27,000円 | 21,000〜26,000円 |
| 羽田-広島 | 約36,000円 | 約17,000〜20,000円 | 16,000〜19,000円 |
金額は季節や便により変動します。実際の予約時にANAウェブサイトで確認してください。
早割との比較
正直に伝えると、ANA SUPER VALUE(75日前予約など)の方が障害者割引より安いケースが多くあります。羽田-伊丹で早割75なら片道1万円台前半になることもあり、障害者割引の14,000〜17,000円よりお得です。障害者割引が有利になる典型シーンは3つ。第1、旅行の直前(2週間以内)に予約する時。第2、予約変更の可能性がある時。第3、体調・症状で日程が確定できない時。これらの状況で早割は使えず(高額な当日運賃になる)、障害者割引の価値が最大化されます。
予約方法|ANAウェブサイトで完結
ANA障害者割引の予約は、ANAウェブサイトから5分で完了します。手順を整理します。
ステップ1:ANAウェブサイト国内線トップページへ
ANAの公式サイトを開き、国内線予約ページに進みます。ログイン不要でも予約可能ですが、ANAマイレージクラブ会員でログインしておくと2回目以降の予約が楽です。
ステップ2:出発地・到着地・日にち・人数を入力
片道か往復か、複数都市かを選択します。介護者と同時予約する場合、大人2名で入力します。
ステップ3:「運賃検索方法」から「障がい者割引」を選択
ここが最重要のポイントです。運賃検索方法の欄で「障がい者割引」を選ばないと、通常の運賃検索になってしまい割引が適用されません。
ステップ4:空席照会結果から便を選ぶ
結果画面には「障がい者割引運賃」が適用された金額が表示されます。希望便を選んで、予約者情報の入力に進みます。
ステップ5:予約者情報の入力と手帳の種類を選ぶ
予約者情報の入力画面で、本人と介護者それぞれの氏名・生年月日を入力。障害者手帳の種類(身体・療育・精神・戦傷病者)を選ぶ欄があるため、正確に選択します。
ステップ6:支払い方法の選択と決済
クレジットカード・コンビニ支払い・ネット振込・Pay-easyから選択。予約完了です。
ステップ7:搭乗当日、手帳を必ず持参
搭乗手続きまたは航空券購入時に、手帳の提示が求められます。手帳を忘れると割引が取り消されます。ANAマイレージクラブに「障害者手帳確認登録」を済ませていれば、登録済みカードの提示でも代用できますが、念のため手帳も携帯を推奨します。
障害者手帳確認登録|ANAマイレージクラブの活用
ANAマイレージクラブに障害者手帳情報を事前登録すると、2回目以降の予約と搭乗が大幅に楽になります。登録の流れは、ANAマイレージクラブ会員ログイン→「お客様情報登録」→「障害者手帳確認登録」から手帳の種類・番号・有効期限を入力→ANAでの審査(数日〜1週間)、で完了です。
登録後は、予約時にログインするだけで自動的に障害者割引の対象として認識されます。搭乗手続きも手帳提示なしでOK(ただし念のため携帯推奨)。1度の登録手間で、以降の全予約が楽になるコスパの良い手続きです。
変更・払戻しのルール
予約便の変更は可能です。ただし、本人が変更する場合は介護者も同時変更が必要。名義・区間変更は不可(別便に変える扱い)。
払戻しは、航空券の有効期間満了日の翌日から起算して30日以内が締切。所定の払戻手数料と取消手数料がかかります。
変更・払戻し条件が柔軟なのが障害者割引の大きな価値です。SUPER VALUEなどの早割運賃は変更不可・払戻し不可のケースが多く、体調不良で急遽キャンセルが必要になった時のダメージが大きいです。障害者割引なら、そうした事態にも対応できます。
よくある却下パターンと対処法
パターン1、精神障害者保健福祉手帳の有効期間切れ
手帳の有効期間が搭乗日当日に切れていると割引が無効になります。対処法は、搭乗予定日の1〜2ヶ月前に手帳更新手続きを済ませておく。更新は市区町村役場で申請、都道府県の審査を経て新手帳が発行されます。
パターン2、運賃検索で「障がい者割引」を選択し忘れ
通常の運賃検索で予約→当日空港で手帳を提示、というやり方は認められません。予約時点で障がい者割引を選んでいることが必須。対処法は、予約完了前に必ず運賃種別を確認。
パターン3、幼児(2歳以下)の介護者としての利用
本人が座席を使用しない幼児(2歳以下)の場合、介護者は障害者割引を利用できません。対処法は、幼児の場合は座席を確保して小児運賃で予約するか、時期を待つ。
パターン4、手帳の紛失・忘れ
搭乗手続きで手帳を提示できないと、割引が取り消されて追加料金請求。対処法は、旅行前日に手帳の所在を必ず確認、鞄の内ポケットなど分かる場所に固定。
パターン5、介護者の同一便未搭乗
介護者は本人と同一便に搭乗することが条件。別便の予約は不可。対処法は、便変更時は必ず両者同時変更。
運営者の経験談
私は身体障害者手帳2級と精神障害者保健福祉手帳1級を保有しています。年に1〜2回、家族との旅行や実家帰省でANA障害者割引を利用しており、以下の3点が実感です。
第1、当日空席予約の柔軟性が絶大です。左半身麻痺の影響で体調の波があり、旅行日程を直前まで確定できないことが多いのですが、障害者割引なら空席さえあれば当日でも予約できます。早割ではこれができません。
第2、介護者(妻)も同じ割引になるため、家族旅行のトータル運賃が大幅に下がります。羽田-新千歳の往復で2人分約70,000円節約できたことがあり、これは大きな旅費削減です。
第3、ANAマイレージクラブへの障害者手帳確認登録を1度済ませておけば、予約が非常に楽になります。最初は「手帳の種類は?番号は?」と聞かれて面倒に感じますが、以降の予約時間は5分以内に短縮されます。
JAL障害者割引との比較
JALにも同等の障害者割引運賃があります。基本的な仕組み(対象手帳・介護者1名の同時割引・当日空席予約)はほぼ同じです。違いはマイル制度・機材・路線網。羽田発着の主要路線ではANAとJALで運賃差はわずかです。「使いやすい方を継続して使う」のが最良の選択です。詳しくはJAL障害者割引運賃の予約方法を参照してください。
よくある質問FAQ
Q1、飛行機に乗るのが初めてで不安です。何かサポートがありますか
ANAには「おからだの不自由な方の相談デスク」があり、予約前の相談や搭乗当日のサポート依頼が可能です。空港での車椅子貸出、機内での介助、優先搭乗など、幅広い支援が受けられます。予約時に「サポートメニュー」から申し込めます。
Q2、マイルは貯まりますか
はい、通常運賃と同じ比率(100%)でマイルが貯まります。障害者割引だからマイルが減るということはありません。
Q3、国際線でも障害者割引はありますか
ANAの国際線には障害者割引運賃の設定はありません。ただし、車椅子・介助犬同伴・機内サポートなどの物理的な支援は国際線でも受けられます。
Q4、株主優待券と併用できますか
できません。障害者割引と株主優待券はどちらか一方のみ。運賃を計算して、安い方を選んでください。多くの場合、障害者割引の方が安くなります。
Q5、当日空港で「障害者割引にしてほしい」と言えますか
できません。予約時点で障害者割引を選択している必要があります。当日空港でその場で切り替えることは不可。予約段階での選択を忘れずに。